新地町のシンボル鹿狼山が「全国絶景低山100」にノミネート!

山岳雑誌「山と渓谷」の記者が、新地町の鹿狼山を訪れました。

鹿狼山は宮城県丸森町との境に位置する標高430mの里山で、新地町で生まれ育った方なら、小学校の行事などで必ず登っている、町民に親しまれている山です。

健康のためにと、毎日のように登る方もいる手軽な山である一方、ルートによっては本格的な登山も楽しめる山として県内外からの登山客に人気です。

頂上まで登れば一面に広がる太平洋を眺められるだけではなく、反対側には蔵王連峰を中心に吾妻連峰からの奥羽山脈が見渡せ、まさに絶景を楽しめる山なのです。

さらに、元旦に行われる「日本一早い山開き」は、毎年参加者が増え、今年はその数2000人を超え、人気も知名度も急上昇中。

こうした地元の方の思いもあり、鹿狼山が「全国絶景低山100」にノミネートされた、という訳です。

まずは樹海コースから

取材当日は新地町の職員も同行し、樹海コースからスタート。広い道をゆっくり登っていきます。この間にもすでに登頂して下山する、たくさんの登山者の方々と挨拶を交わします。山と渓谷社の取材と知って、スマートフォンに保存してある鹿狼山の花の写真を見せてくれる方も。

取材の日は残念ながら花の季節は過ぎていましたが、これで鹿狼山が花も楽しめる山だということが、記者の方にも伝わったと思います。

鹿狼山に登頂すると、期待通りの眺めでした。目の前に広がる太平洋と、背後に連なる奥羽山脈。この絶景に、参加者は皆でしばらく浸りました。

頂上からの眺め
新地町と太平洋
蔵王連峰

下山はケヤキの森コースへ。

こちらは樹海コースと違い、人ひとり分の幅の本格的な登山道。それでもしっかりと刈り払いされているので、歩きづらいところはありません。

途中の分岐を東に進むとケヤキの森コースの登山口。北へ向かうと宮城県の深山に向かう縦走路。この登山道を使って深山まで縦走して下山すると、約20キロのハードコース。近年ではトレイルランニングの方々に人気のコースです。

分岐点には休憩所があり、多数のベンチが設けられていて、太平洋はもちろん、鹿狼山も眺められる絶景スポット。ここはぜひ立ち寄ってもらいたい場所です。

休憩場所は絶景スポット

その後はケヤキの森コース登山口に向かって下山。静かな森の中の道です。

登山道の脇には鳥の巣箱が設置されていたり、手作りの休憩所が設けられていて、地元の方々に愛されている様子が伝わります。

無事下山して記者の方に感想を伺うと、手軽に絶景を楽しめるのはもちろん、地元に愛される山ということも充分に伝わってきたとのこと。

きっと「全国絶景低山100」に選ばれることでしょう。

この「全国絶景低山100」は、11月号の「山と渓谷」に掲載される予定です。ぜひお手にとってご覧ください。

また、鹿狼山にも足を運んで、絶景をお楽しみください。

文:佐藤敏博(山岳ライター)

宮城県在住。東北の山を中心に、春の花の季節から、冬のバックカントリースキーまで、四季を通じて山を楽しみ、その魅力を伝えている。

《鹿狼山》https://www.shinchi-town.jp/soshiki/3/spot-karousan-tozan.html